ドクターのライフサイクルを
(1) 勤務医時代 (2) T開業期、U患者定着期、V医療法人設立期、W事業継承期
に分けて説明いたします。

(1) 勤務医時代
 
 研修が終わり、地域の中核病院で働かれるこの時期は、収入よりも先生自身のプライベートな時間に価値を置かれることが多いのではないでしょうか。「お金を使う時間がない」と言う勤務の先生の悲鳴をよくお伺いします。
 この時期は、将来の独立に備えての自己資金の充実を図って頂きたく思います。
 開業支援をさせて頂いているとき、開業地に最適の物件を探し当てたとしても、政府系金融機関・メガバンクや地方銀行のドクター向け融資、信用金庫と複数の金融機関に打診をしても融資が満額つかず、泣く泣くその場所を諦めるという事態も、残念ながら数多く見受けられます。

 この時期は積極的な(と言っても投機的なという意味ではありません)資産運用を行うチャンスです。
   
(2)
T開業期



 この時期は開業のために自己資金を投入し、金融機関からの借り入れも行ったものの、まだまだ患者数も損益分岐点を目指す状態です。
 この段階では、掛け捨ての保険による死亡保障が必要不可欠です。借入返済額と遺族保障を定期保険で活用するのが一般的です。キャシュフローもマイナスですし、純財産額もマイナスの場合が多いですから。
   
U患者定着期

 この時期では患者数が損益分岐点を超え、キャッシュフロー的にはプラスに転じますが、まだまだ開業時の借入金が重い状態です。 Tの掛け捨てから貯蓄性のあるプランにシフトさせると同時に、長期的な資産運用を始めるタイミングです。
 十数年後のご子息の医学部、歯学部入試に据える時期でもあります。
 「守る」視点と「増やす」視点のバランスを重視した投資をお勧めします。
   
V医療法人設立期

 先般の医療法改正で積極的に医療法人の設立をお勧めできない状態になっていますが、診療報酬が5千万を超え概算経費の医師優遇制度が使えない状態をイメージして下さい。
 医療法人を設立されたドクターには、保険料の2分の1や4分の1を損金に算入できる保険商品を使って節税と将来の退職金の積み立てというオーソドックスなプランを採用されることが多いと思います。ただ、理事長の退職金にも限度がありますので、保険での資産運用は一概には言えませんが私のクライアントさんでは保険金が1億円位のプランに入られている方が多いです(もちろん、一番「率」の良い保険会社で)。
 この時期、ぜひとも「増やす」重視型の資産運用を目指して下さい。キャッシュフローもプラスですし、開業時の銀行借入れの返済の目処も立ってきたはずです。会社の数字を見ながら、無理なく医療機器の再投資も行う時期です。
   


W財産承継時

 ご子息が医学部・歯学部に在学中であったり、勤務医として研修をされるような時期です。私のクライアントさんの中には、週に一回休診日を設けたり、夜の診察時間を少し短くしたりされるケースも見受けられます。

 この時期には「フィナンシャルフリーダム」を実現していただかないと私の存在意義がありません。先生にはお金のためでなく、地域医療への貢献のために働いていただきます。この段階では「守る」資産運用が大切です。資産防衛です。毎月分配型の商品で年金が入らない月に分配金を受け取られるドクターも多くいらっしゃいます。

 このようにドクターのさまざまなステージに合わせた資産運用のアドバイスをご提供いたします。